丘の上にログハウスを建てる

夢をカタチにするまでの備忘録

たまにはTSUKIでも眺めましょ

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写真は夜景ですが、おはようございます。

東京、池袋駅から歩いて約15分の場所に、

高坂勝さんという方が営んでいらっしゃった「たまにはTSUKIでも眺めましょ」(略称:タマツキ)というオーガニックバーがあったことを、皆さんはご存知でしょうか?

 

この変わったお名前のお店を、一言で説明するのは難しいのですが、「退職者量産バー」という異名で呼ばれる(笑)、やはり中身もとても変わったお店でした。

 

オーナーの高坂さんは元サラリーマンで、脱サラして自営業を始めただけではなく、「脱・行き過ぎた経済成長」を目指し、「必要以上に儲けない」「必要以上に働かない」ということをお店のポリシーとして掲げて、実践されてこられた方です。

 

「お客さんの健康に寄与するメニューのみにしたい」と、長年の営業の間にメニューは野菜中心のメニューに絞り、「稼ぎ過ぎだな」と判断して、週休2日を3日に増やすなど、思い切った「選択と集中」が随所に見られます。

 

執筆活動もなさっており、著作では御自身の半生をつづりつつ、お店を何故作ったのか、今後の展望などが書かれています。

 

減速して自由に生きる: ダウンシフターズ (ちくま文庫)
 

こちらは2冊目。

 

次の時代を、先に生きる。 - まだ成長しなければ、ダメだと思っている君へ -

次の時代を、先に生きる。 - まだ成長しなければ、ダメだと思っている君へ -

 

 

実はもうありません

実は今年の3/31を持ってお店は沢山の方に惜しまれつつ「減店」とし、同じ志を持つ方にお店は譲られて、御自身は東京での都会的生活を卒業されました。

 

今は千葉県匝瑳市で、お店の営業時も並行してやっておられた米作りや野菜作りをして、それらを希望者に教える活動をされたり、移住の斡旋をされたり、脱成長の啓発活動をされている、私的にはこれからも(これからの方が?かも知れません)大注目の方です。

 

ここまでの内容は、下記のNHKラジオの番組で、1人語りで配信されているので、配信期間は限定ですが良かったら聴いてみて下さい。


https://www.nhk.or.jp/radio/ondemand/detail.html?p=0322_11

 

かなり雰囲気のある方だということが、声からも伝わるかと思います。笑

 

実際に行ってみて

私は一人で飲みに行くことが皆無なのでなかなか行かなかったのですが、2度ほどお店にお邪魔しました。

 

お店に入ると、初対面でも高坂さんがお客さん同士を自己紹介させて、常連さんをいじり(笑)、気が向いたらお客さんと即興ライブもやるし、なんとも言えない「ユルいコミュニティ」を作っていました。

このお店の雰囲気は、私の今の価値観の土台になっているであろう、実家の教会を思い出させるような雰囲気でした。

 

 

何で行ったの?

理由は色々とあるのですが、

・「必要以上に働かない」実践を見たかった

・自身の人生の、今後の展開・計画について意見を聞いてみたかった

・実際のお店の雰囲気を知りたかった

 

というのが、主な理由でした。

でも、ご本人を目の前にして、「そういうことを気にしながら、御飯を頂くのも、なんか野暮だなぁ」と思い、結局ほとんどお話もせずに、当日居合わせたお客さんと楽しく会話しながら食事を頂いて終わりました。

 

ノーガード戦法

私が2回目に伺ったのは、お店のラストの1日前だったのですが、店は、カウンター席は全て立ち飲みスタイルに変わり、

食事も「適当に出すから、これくらい食べたなぁという感覚で金額は自由に決めて箱に入れてください」というお会計方法になっていました。

聞けば「最後の最後だし、これでいけるか実験してみる」とのこと。

 

「金勘定のことは相手に任せて、自分は料理に集中する。」

 

あしたのジョーもビックリの、ノーガード戦法です。

 

既に関係のある友人ならまだしも、いわゆる仕事上で出会った人に、いきなりこう接することは、なかなかできないと思います。

でも、この辺りの感覚が、高坂さんの持ち味なのだなと感じました。

 

自分も人と関わることが多い仕事なので、このように自分自身がまず相手を信じるコミュニケーションの取り方を見習いたいものです。

 

バラエティに富んだお客さん達

 

ラスト前日ということもあり、沢山の方々がいらっしゃっていましたが、特に、個人間での電力売買のプラットホームとなっている新電力会社「みんな電力」の大石社長が来られていたのは驚きでした。

http://corp.minden.co.jp/

 

みんな電力さんでは、小規模な太陽光発電を行なっている個人経営の発電所のようなところからも、電力を供給してもらうことができ「電力も供給先の顔が見える時代になる」とのこと。

電力もそんな選び方ができるようになるなんて、素敵だなぁと思います!

 

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大石社長曰く、環境負荷に対する意識の高い企業であるAppleApple storeでも、みんな電力さんの電力が使われているとのことでした。

 

もちろん、タマツキもみんな電力さんと契約されていました。

というわけで、我が家もいずれ、みんな電力さんのお世話になるかと思います。

(その前にもちろん奥さんと相談だけど!)

 

ちなみに、大石さんとお会いした数日後には情報サイトのギズモードさんにて、こんな記事を見つけまして、


https://www.gizmodo.jp/2018/04/apple-environmental-initiatives.html

 

たしかに、環境に対してのアップルの意識の高さは素晴らしいと思いました。

Maciphoneユーザーとしては嬉しい話題です。

 

ただ、同社のタックスヘイブン(税逃れ)の問題に関しては許せません…

Apple製品は基本的に好きなので、逆にこの問題は非常に残念。

 

新たな稼げるシステムが生み出せなくて、経営大変なんだろうけど、頼むから真っ当にやってくれ…。と思います。

 

何事も面白がる人の元にこそ面白い人が集まる

話をタマツキに戻しましょう。

そんなわけで、他にも面白い方々がたくさんいらっしゃってたのですが、今振り返って思うことは、高坂さん御自身がタマツキでのお仕事を楽しんでいたなぁ、ということでした。

もちろん経営するということは、めちゃくちゃ大変なことなのだと思いますが、自身の間合いというか、仕事のスケールをどこまで広げるのか、そして楽しむのかということが、しっかり考えて設計されているように思えて、なるほど、と思いました。

 

自分自身も、元々が小さなキャパシティであることをよく理解して、働き過ぎず、楽しく仕事をしていきたいなぁ、と思いました。

 

今日はそんなことを感じさせて下さった、素敵なお店のご紹介でした。